-DIYリフォーム歴代記録3- 椿のいえ 2010年

-DIYリフォーム歴代記録3-  椿のいえ 2010年

平屋のいえ」から6年。私は「モノを作りたい」という欲求が満たしきれず会社を辞めていました。モノ作りで生計を立てていくと決めて動き出しましたが、無謀にもその翌年に結婚を選択します。そして欲張りにも新婚生活とモノ作りが両立出来る環境を探し求めたのです。
ざっと100件程の不動産屋さんに電話したでしょうか、やっと探し当てたのがこの「椿のいえ」でした。7年住んだこの家は、冬は寒く夏は暑い、苦行の様な家でした。それでも妻と悪戦苦闘しながらも創意工夫して暮らし、お互いの価値観や忍耐力を確認し合った様な思い出深い改装物件3軒目のおはなしです。

この物件にした背景と理由

まずは私の仕事場となる モノ作りスペース が確保出来る事が第一条件でした。作業で音も出るので騒音問題もクリアしなければなりません。

・庭に作業小屋を建ててもOK(近隣は畑と空き家のため音もOK
・古い物件で家賃お手頃(の割には都心にも出やすく交通の便が良い)
・家も自由に改装OK
・妻の職場に通勤圏内(駐車場1台分スペースあり)

しかしこの条件こそが2010年当時(今でも?)は非常に難しく、冒頭でも触れた「不動産屋さんに電話100件」という事態を招く事に。(その時の詳しい状況や探し方などはまた別の記事で…)
門前払いされ、箸にも棒にも掛からない中、90件目位に電話を掛けた不動産屋さんで一筋の光が差しました。紹介されたのは学校の先生夫婦が住んでいて、今の大家さんが自分達の趣味の家(もしくは社員寮)として買い上げた後しばらく空き家になっていたという物件。

諸々の条件が合致する稀有な物件でしたし、妻は古い家に住んだ事がなかったのでどこまで許容してくれるか心配でしたが、意外にもOKが出たのでこの物件に決めました。ちなみに大家さんが椿が好きらしく、庭に3本の立派な椿が植えられていたので「椿のいえ」と呼ぶ事にしました。

改装OK 庭付きで作業場建築OKの稀有な物件

リフォーム前の外観。今回も平屋でいわゆる一昔前の民家ですが、前回より色々コンパクト。4DKで裏庭付き、車がおもてに一台停められます。前回と違い洋風?が取り入れられてますが、この見た目では普通の人は選ばないだろうという物件。

沖縄っぽい日本家屋の外観
青と白の玄関がどことなく沖縄っぽく独特な外観…

おトイレの小ささと、お風呂の扉が木製なのには若干ビビりましたが「型板ガラス」が使われていたり、よく言えば昭和レトロな雰囲気があったりしてポテンシャルはありました。そして何といっても自由に改装OKで作業小屋の建築もOKなのは他にないし、夫婦駆け出しの私達にとっては十分なものであったなと今は思います。

2人暮らしには使いやすい間取りだった

DIY改装の振り返り

また始まった「DIY改装生活」。当時は自分のモノ作りも駆け出しでお金も無かったですし、賃貸なのでお金を掛けての大規模な改装は考えてませんでした。
でも振り返ってみればそれなりにいい雰囲気だったりして、DIY改装は金額じゃないんだなとつくづく感じています。例えば私と同じくモノ作り系の方とか、ノスタルジックとかレトロとかエモいとかお好きな若いご夫婦にもおススメしたい位の物件です。

以下では、その時の感情も思い出しながら「椿のいえ」を振り返っていきます。下の画像で見たい部屋をクリック(タップ)するとその内容にジャンプします。(じっくり見て頂ける方はそのまま下へスクロールを。)

1. まずは玄関の青い扉をどげんかせんといかん

そう。こここそが元凶…いやスタート地点であり内覧の時から絶っ対に変えたいと思ってた部分。「なんで青にしたんや!」と心の中で何回思った事か。

ビフォー なんだか薄暗くて陰湿な感じ

このままでも雰囲気のいい焼き物とか並べたら、壁の色と合って良さげだけどやっぱ扉の色が許せない…。妻からも「玄関がなんか暗いよね」って言われてましたし、まずはここから取り掛かりました。

玄関の壁をDIYで塗装する様子
右側の壁を塗る準備をしている様子

右側の壁を塗り始める様子です。いま見れば、元の壁は塗り壁だから「アク止めシーラー」とか塗った方がいいんでしょうが、これそのまま塗ってます。。でも下地の状態が良かったのか、アクも出ずに7年間特に問題は無かったです。(塗料はいつものエコフラット70)

白い壁にグレーの玄関扉でおしゃれな玄関に

途中経過がありませんが、出来上がりがこちら。念願の扉も明るいグレーに塗って優しく明るい雰囲気に。白とグレーだけでなく木の色を残したのもポイント。(脱臭の備長炭は置いてても生活感出ないし黒のワンポイントにおすすめです。)

白を基調としたナチュラルでおしゃれな玄関

照明は元からあったかい雰囲気を出してくれてたのでそのまま使用。床の敷物は汚れが付きやすいという事で敷いてました。ジュートのラグとかもっと何かなかったんかい、とも思いますがそこだけ変えれば今でも全然ありな感じです。ちなみにポストは投函されると普通に地面に落ちます。

西日の挿す白い玄関
お昼過ぎには西日が差してこの雰囲気が好きだった

カーテンは玄関から入ってくる冷気対策と、玄関を開けた時の視線対策のため。扉を開けると家の奥まで丸見えなのが分かった時には二人で笑ってしまった思い出が。

2. 厨房感とちょっと遊び心を加えてみたキッチン

壁が古くさかったけど、「床板がアメ色」とか「白いタイル」とか可能性は秘めていたキッチン。何となくオープンキッチンみたくしたいイメージがあったのと、自分というよりは妻がいるキッチンをイメージしてたのでかわいい感じにもしたいという想いで改装に臨みました。

昭和館のあるキッチン

厨房感の創出にはIKEAのペンダントライト(1個2千円位。3個ってとこがポイント!)と業務用のステンレスキャビネット(リサイクルショップで2万位)が活躍してくれました。妻が選んだバジルやローズマリーの植物も演出効果ありです。キッチンに植物があると気分もフレッシュな気持ちになりますからね。

レトロで和洋折衷なキッチン
キッチンの雰囲気は特に気に入っていた

配置はキャビネットを周遊できる様にとも考えましたが、広くないのでコの字に移動しても苦じゃないという事でこの形に。ちなみに手前の洗面台は洗面所の改装の時に外したもので、「ここに水道あったら便利でいいよね」と仮置きしてみたものでフェイク。何やってんだかって感じですが、当時はそういうのが楽しかったんですね。この後二人用のテーブルに変わりました。

ブルーグレイの壁にこげ茶の飾り棚と流木のテーブルが置かれている
この色合わせはなかなか良かった

壁は主だった所を白で、一番大きい面だけブルーグレーで塗り塗りしました。そこに3m弱の飾り棚を直付け(下地のある場所を探して木ネジ数十本で固定)して食器を並べ、流木テーブルなんかも置いて小物を飾って喜んでいました。ちなみにこんな感じの家具なんかが自分の作品であります。

いま振り返れば、ここは今の家のキッチンより雰囲気が暖かであった気がします。お金も今より無かったし部屋も狭いけど逆にこのサイズ感が良かったのかもしれません。ゆるりとした音楽にクッキーやハンバーグを焼く匂い、暖かい色の照明に照らされた果物や植物など。良い思い出が沢山あります。

3. 二間続きにしたリビング

南側の部屋は、和室と洋室が障子で仕切られていましたが「ザ・和風」だったので、外して二間続きのリビングにする事に。

昭和感が漂う部屋

和室の畳ははがして合板を貼り、洋室の中途半端な床板の上にも合板を貼って統一感を出しました。和室の壁から鴨居から柱もすべて白にして、洋室の壁も白、建具だけ玄関扉と同じライトグレーにしました。庭側の木製のガラス引戸は大きくて雰囲気が良かったので、掃除してそのまま利用。(そういえばこの木製の引戸はカギが締まりきらなくて7年空きっぱなしの状態だった…)

作業途中の様子

床と壁を全部白にしたのが意外と良くて、何を置いてもこぎれいにまとめてくれる感じがしました。廃材を利用した家具なんかも、木の色とか全然違うんですが、この簡素で潔い空間に置けば何とかなるというか。和室特有の床の間も白に塗って書籍なんかを置けば立派なコーナーになります。床は汚れが付くんですが、周りのものが古いのでそれ程気にならなかったです。

4. なんといっても寒かったお風呂

こればっかりは、古い物件なので致し方ないと言いますか…小さくて掃除は楽だったけどタイルの冷たさが身に染みるお風呂でした。寒がりだった妻には地獄だったと思います…

かなり昭和感が漂う洗面所とお風呂

まずお風呂場のタイルをどう見栄え良くするかが難題でした。「 平屋のいえ 」ではタイルに直接油性のペンキを塗ってみましたが、実用には向かなそうなのを知ってました。今思えばプライマーを塗ってから、それなりの塗料で塗ればいけたのか?とも思いますが、当時はプライマーの存在を知らなかったので仕方がありません。そこで思いついたのがタイルの上からカッティングシートを貼るという方法。

古いタイルの上にカッティングシートを貼る様子

これがまあまあアリな出来栄えでして。目地の所とか空気が入らない様に慎重さが必要な所もありますが、基本は貼るだけですから早くて簡単でした。少しなら空気が入っても針で穴を開けて空気を抜けばアラは隠せますしね。(ちなみにカッティングシートは新星社(SHINSEISHA)のスーパーエコ(S-30)という商品で短期屋外用シート1000mm幅の20mで当時2万円くらい)

浴室のタイルもこの方法で貼っていくと「取り合い(境い目)の所はどうする?」…となりましたが、コーキングで塞ぐ事で何とかなりました。(浴室のタイルは脱脂も兼ねて、強力めの洗剤で一度洗って完全乾燥してます)

浴室の壁をカッティングシートでリフォームする様子
カッティングシート同士の隙間が出来る
コーキングで隙間を埋めた

これがどうして7年で一段下がった所の境い目が剥がれてきたものの、他の部分は毎日水に濡れてお風呂洗剤(ルックとか)でごしごし洗ってたのに全然平気でした。カッティングシートは耐水で厚みもあるものを選んで、フロ椅子などでシートをいじめなければ結構いけるんじゃないか?と思います。ちなみに浴槽の色は色々考えたものの、どうしようも出来なかったです。(中古物件を購入した方は、潔く浴槽交換か塗装してくれる業者もいる様なので探してみては?)

洗面台をIKEAのRORSKARとODENSVIKでDIYリフォームする様子

洗面台はIKEAの「RORSKAR」と「ODENSVIK」でDIYリフォームしました。と言っても、水道の連結部分は業者さんに繋いでもらいました。(1万4千円くらい?)洗面ボウルの脚は自分で適当に作ってます。

白基調のレトロでナチュラルな洗面所

他の部分も塗装でいけるところは塗って、鏡はDIY。浴室側と洗面室(というほど広くないが)前には引戸の腐食を防ぐためにシャワーカーテンを付けました。なかなかシンプルでコンパクトで使い勝手は良かったです。

5. 単管パイプで作業小屋を立てた庭

庭には念願の「作業小屋」を建てました。波板のシルバーと木の色合いは見た目的にこの家の庭にあっても許せる感じで細かい所はあれですが、今見ても中々いい雰囲気だなと感じます。

庭にあるDIYで作った横長の作業小屋

お許しは出ていたものの 退去時には更地に戻すというお約束がありましたので、バラすのが少しでも楽になる単管パイプで骨組みを作るタイプにしています。また、お金を掛けたくなかったので、入口の扉は大家さんが使わなくなった雨戸だし、下地の木材や建具には廃材も多用しました。

波板と単管パイプがむき出しの作業小屋

中もふんだんに廃材を使っています。窓は自作ですが多少隙間は空いてるし自慢できたものではなく、当時はとりあえす雨風がしのげればいいという考えだったので内部はこんな感じで殺伐としていました。

7年ほどの間、台風でも小屋が飛んだり波板がさびて穴が開いたりする事はなかったのでよくもってくれました。建てるのは中々大変でしたが、頑張って作って良かったなと思います。(※より詳しい内容は「庭にDIYで単管パイプと波板の作業小屋を自作!廃材の木を足したらコスパ良くてかっこいい小屋になった!?」でご紹介。)

いかがでしたでしょうか。以上が改装物件3件目の「椿のいえ」のご紹介でした。7年間、とにかく寒がりの妻はよく我慢してくれたと思います。そしてその様子をこうして振り返って見るとなんとつましい生活を送っていたのかと感慨深いです。もし、これからこんな暮らしをしてみたいという方のご参考に少しでもなれば幸いです!